性別の法的取り扱い変更に関する最高裁判決に抗議します
2023年10月25日
本日の判決は、女性の人権と安全を蔑ろにするものです。このままでは日本は、今まで以上に、女性が性的被害に遭い、それをまともに取り合ってもらえない、生きづらい国になっていくでしょう。
男性と女性の最も顕著な違いは、身体の性的機能です。男性の臓器である精巣を持つ人をこれからは女性と呼ばねばならないということは、生物学的現実からたんに逸脱しているという以上に、明確にこれに反しています。
そのうえ、外観要件まで無くするべきだという意見の最高裁判事が複数いること、ホルモン療法さえしなくていいと判決に添えられた意見として出す裁判官がいるということについても、恐怖を感じています。
女性を妊娠させる能力を持ちながら、勃起する男性器を持ちながら、女性が無防備でいる女性のみの空間へのアクセス権も主張する「法的女性」が出現すれば、どのような問題が起きるのか明白です。海外であまりにも多くの事件が起き、訴訟も起きています。そのことがまったく目に入っていないかのような意見を堂々と出しておられる裁判官がいることに、私たちは驚愕しています。
犯罪目的の男性が「法的女性だ」と主張して女性のための空間に侵入することもじゅうぶん起こりえます。そのあまりにも明白なこと、女性の身体の安全に関わることが、軽視されているのがこの日本なのだと、思い知らされました。人口の半分を占める女性たちの、その安全について、これ以上蔑ろにすることは断じて許してはいけません。
近年、性自認を現実の性別より優先させる社会的運動が広まっています。その影響が法曹界に及んでいたことは知っていましたが、最高裁でこれほどまでに強固に性自認主義が広まっていることに、そしてそのために一般の女性たちの声に耳を傾けることがまったくなくなっていることに、怒りをおぼえます。
女性の人権と安全は、これ以上、損なわれてはなりません。「男性器がある女性」を容認しないよう、常識ある人々による世論の力を、私たちはいま、切実に頼りとしています。
No!セルフID 女性の人権と安全を求める会
代表 石上卯乃